R平のブログ

世の中の仕組みを調べてみよう

FX トルコリラ攻略! かも

スワッパーの聖地もしくは墓場、みんな大好きトルコリラ

なんと9月10日現在、政策金利約20%。金利ほぼ0の日本と比べてなんとぶっ飛んだ数字で御座いましょう。が、しかし。みなさんどれほど知っておりますか?トルコの事を。かくいう私もあまり良く分かっていませんでした。せいぜいケバブどまり。それで思ったわけです。そもそも良く分かっていない国の通貨によくレバレッジ利かせまくれるなと。

”彼を知り、己を知れば百選あやうからず” by孫子

そうです、真のスワッパーとなるには先ず知ることが大切なのです。トルコのことを。たぶん。ということで、先ず国の大まかな指標について日本と比較してみました。情報元は、Trading economicsさんです。便利なサイトでいつもお世話になっております。f:id:r-hei:20190911215018p:plain

中東の国の中では人口多いです。さすが元オスマントルコ帝国。割とガソリン価格が高くて意外でした。すぐ近くでバンバカ採れてるんだからもっと安く売ってもらってるんじゃないかと思っていたので。ちなみに、トルコの体外負債のほとんどは石油の購入によるものです(エミンさんのツイートで知りました)。 ほかに目をひくのが政策金利(インフレ率)ですが、実はこれも石油と関係が有ります。

なぜトルコリラは高金利なのか? ハンデその1:原油が出ない

丸紅さんのレポートを参考にさせて頂きました。貼りつけてあるグラフもこのレポートのものです。

https://www.marubeni.com/jp/research/report/data/20190509_TURKEY.pdf

先に書いたように、トルコの負債の主な原因は石油購入によるものです(貿易赤字の4割くらい占めてます)。ということは、この負債は米ドル建てということになります。なぜなら、石油は基本米ドルでしか買えないからです(これが米ドルを基軸通貨たらしめるパワー)。日本のように債務が自国通貨で有る場合はむしろインフレ起こしてしまえば簡単に負債処理できるわけですが、債務が対外であるトルコにはその手が使えないわけです。通貨安=負債の負担増 なので、嫌でも金利を上げて通貨安阻止しないといけなくなります。下のグラフを見ても、確かに原油価格と経常収支の間に逆相関が有りそうです。

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なぜトルコリラは高金利なのか? ハンデその2:複雑な外交事情

石油が出ないというハンデに加え、トルコには近隣国との複雑な関係があります。下の表を見てください。大変そうですね。これは、ヨーロッパとアラブ諸国の間に挟まれているという地理的なものに加え、中東の盟主だったというプライドがアラブ諸国との融和を難しくしているんじゃないのかなと個人的には想像します。アラブ諸国というのは、全部がそうではないですが 第一次世界大戦後に敗戦国のオスマントルコ帝国の領土の一部を戦勝国のイギリス、フランス、ロシアが切り分けて出来た国なんですね。サイクスピコ協定と言われていますが。なので、トルコからだと新参者に見えるのかも。もともとうちの領土だったくせに、と。このあたりのことは、佐藤優さん著の”大国の掟”という本を特に参考にさせて頂きました。面白いだけでなく、読みやすい本です。

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 うっすらとした希望

上に挙げた理由の他にも、大統領が中央銀行のやり方に口出しをしたりとか色々問題が有って今の状況になってしまっているのですが、希望もあります。まず一つに、トルコの民間企業が優秀でかなり頑張っているみたいです。トルコリラの急な下落に対し可能な限り輸入を抑え、その結果経常収支が改善しています。インフレ率も低下傾向ですよね。また、アメリカの金利が低下していて、これもトルコリラに有利にはたらくかもしれません。アメリカとの金利差が開くので、高金利トルコリラが買われるかもしれないということです。(逆に、アメリカが利上げ方向に動き始めるとやばいと思います)

まとめ

・トルコは、対外債務の多い国。

原油高や政治的なかじ取りの失敗でアメリカからの経済制裁を食らうと大ダメージ

・大統領が”高インフレなのは高金利なのが原因”(たぶん逆)とか言ってる

薄い内容ですが、今回の記事を書きながらどんどんテンションが落ちてきました。なんと不安要素の多い通貨なんだろと。チャートだけでなく、関連ニュースに注意しながら売買しないと危険だと思います。近いうちに手を引こうかな・・・

 

 

 

「30分で分かる経済の仕組み」レイダリオ著 を読み解く⑤

引き続いて、読み解いていきたいと思います。

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レバレッジ減少への対応が経済活動のカギ」

このパートの文章は一つ一つ難解で中々頭に入ってきませんでしたが、要は最悪の事態を避けるにはどうするべきなのか、を言っているのだと思います。具体的には以下2点が重要なポイントだということです。

◆返済が収入を超えてしまうことだけは絶対に避けなくてはならない。政府は金利とお金の発行量でそうならないようにコントロールする必要がある。

◆お金を発行することについて、過度に心配する必要はない。生産性向上した分だけ発行していけばハイパーインフレは発生しない。

です。難しい文章のパートでしたが、書いている内容はとてもシンプルだと思います。

 

最期のパートでは、このレポートが過去の景気の歴史に基づいて書かれていることが述べられています。実際の経済の仕組みはもっと複雑なものですが、時間軸を長くとって大きな視点で過去起こったことを見直すと、生産性の向上という大きな流れとそのバラツキとしてクレジットによる景気の波が有る。そしてそれは経済の基本的な仕組みなのだ、ということが締めとして書かれているのです。

物事を極端に大きな視点で見ると、現象をシンプル化出来て把握や予想がしやすい場合があるのだと思います。例えば、目の前を走っている車が一カ月後どこを走っているか、などということについては予想を当てることは非常に難しいですが、その車が1か月後に太陽に対してどのあたりを走っているかを当てるのは簡単です。地球の位置≒車の位置ですからね。

さいごに

経済を学んだこともないど素人が必死でググりながら読み解いてきましたが、如何でしたでしょうか? 未来の自分も含め、少しでもお役に立てたらいいなと思います。もちろん、間違っている解釈もあると思いますので、その場合は是非指摘のコメントいた明ければと思います。 それでは。

「30分で分かる経済の仕組み」レイダリオ著 を読み解く④

引き続いて、読み解いていきたいと思います。

前回は返済額>収入となり、恐慌が発生したところで終わりました。今回は、恐慌の影響が国の財政にも影響を及ぼし始める所から始まります。

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政府は経済活性化のため支出をふやし、経済の体力を回復させようとします。

「政府は経済活性化のため支出をふやし、経済の体力を回復させようとします。」

人々の収入が減る上に失業者が増えるわけですから、税収は下がり さらに失業者対策の為に国は予算を使うことになります。失業者手当とか、土木工事とかの仕事を作って雇用を増やします。ただし、恐慌になるほどの状況ですからそれに掛かるお金(税金)も足りません。どうするか。どうやって税収を上げるか。⇒そうだ、お金持ちからいっぱい取り立てよう。 という発想になるみたいです。お金持ちにとっては恐ろしい話ですが、客観的に見つめるとこれは”富の再分配”という行動になります。

「貧しい人たちは富裕層を毛嫌いするようになります。」

この文はさっぱり意味が分かりませんね。だって、蓄えた富を税金として吸い上げられてみんなに配っているわけですから。おごってくれて有難う!という気持ちになるのが普通と思いませんか? でも、実際には違うようなのです。「貧しい人たちは不満を抱えている。そして、恐慌時は社会の多数派。⇒ 不満の矛先が政府に向けられるとまずい。⇒ そうだ、金持ちを悪者にしよう」という発想を政府はします。さらに、悪者から資産を没収して庶民に配れば景気対策が出来る上に人気も取れるぞ!という。政府にとって一石二鳥の良い策のように思えますが、これをやってしまうとお金持ちと貧困層の対立が生まれることで世の中の空気が殺伐としたものになって行くみたいです。具体的には、1930年にヒトラーが力をもったのもこの状況からだとダリオは言ってます。社会が2層にはっきりと分かれることで、貧困層には被害者意識と連帯感が生まれると想像できます。そして、そこに分かり易い言葉で目的と方向を示してくれる指導者が現れた時 被害者意識と連帯感を苗床にファシズムが育っていったのではないでしょうか。

中央銀行は、お金を印刷するより方法がなかった。利子がゼロまで下落していたから」

 負債への返済が収入を上回り、それが資産と収入の縮小の連鎖を生み出してしまいました。そしてついに恐慌となりどんどん社会がすさんできています。どうすれば良いか。そう、負債の処理と資産価値の増大です。これが実現すれば、またクレジットによるレバレッジが復活します。しかし、金利は0になっていてこれ以上下げることができない。そこで国がとる対策は、お金の発行です。発行したお金で国が資産を買って資産の価格を引き上げたり、公共事業をしたり公務員を増員したり等々して景気対策をするのです。また、お金を発行するということはインフレを促すので負債の負担を軽減する効果もあります。お金を発行することで資産の引き上げと負債の軽減を同時に行えるのです。ただ、良いことばかりではありません。副作用として国の借金が増えます。これは、お金発行の仕組みに関係しています。お金を発行する際には、政府は金額分の国債を発行しなければなりません。中央銀行は、この国債を受け取った代金としてお金を印刷して政府に渡します。国債は政府の借金としてカウントされます。回りくどいシステムと思うかもしれませんが、勝手にお札を印刷して発行出来るようにしてしまうと際限なく印刷してしまいますね。そうするとすぐに行き過ぎたインフレになってしまうでしょう。それを防ぐための方法です。総括すると、レバレッジが消失して金利を0にしても景気が好転しなくなってしまった場合には国が赤字を増大させる代わりにお金を発行して対策するということです。

 

次回、最終回です。もうちょっとですね。では。

「30分で分かる経済の仕組み」レイダリオ著 を読み解く③

引き続いて、読み解いていきたいと思います。

前回は小さな景気の波が繰り返し発生しながら徐々に景気が膨らんでいくところまでのお話でした。今回は、景気の膨らみが最大になった後何が起こるかの話です。

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「何十年もたつと債務額がだんだん大きくなり返済額が増えてきます。そして返済額が所得よりも早いスピードで増えるときが来ます。」

初手から難解ですですね。というか、出落ちです。ここさえ理解できればこのパートはすらすら読めます。ここで”増えるとき”と言っていますが、どんな時でどんなことが引き金になっているのでしょうか? これは、金利が関係していると思います。景気が際限なく膨張していくと勘違いするような流れの中で、ある時から徐々にもしくは急に金利が上がりだすとします(金利変動の仕組みは別途記事にします)。すると、負債はその時から急激に膨らみだします。負債の増加=返済金の増加、です。それに対して収入は金利分上がるというわけにはいきませんから、収入の増加ペースに対して返済の増加ペースが上がったということになります。日本のバブル崩壊も、引き締めの為に公定歩合金利)を一気に上げたことがきっかけになったとググったらそんな記事がありました。

・返済額は、金利変更によって急激に膨らむ

・しかし、収入と資産はそれに応じて急激に上がることはない。

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「不景気なら利子を下げれば借りる金額が増えます。でもレバレッジが消滅していますから利子を下げようとしてもすでに利子は低くなっています。こうなると景気回復は不可能です。」

さっぱり意味が分かりませんね。レバレッジは直訳すると”てこ”です。FXや先物取引において、借金で手持ち資金以上の金額を取引したりすることを”レバレッジを効かせる”なんて言ったりしますね。てこを用いるように手持ち資金(小さな力)で多額の取引(大きな力)をするという感覚です。今回の状況に合わせてもっと具体的に言うと、レバレッジ=借金してそれを運用することで生産性向上を達成し、より大きなリターンを得られること。となります。つまり、レバレッジが消滅しているということは、↑表青字部分のように景気が負のスパイラルに入っており、借金して運用しても生産性の向上が望めなくなってしまっている状況ということです。ほんの少しでも生産性が上がるのであれば、金利さえ低く 最悪0にすればごくわずかでも成長するのですが、そもそも成長がプラスにならないことが決まっている状況で金利を0にしたとしても効果はありません。バブル崩壊前の経済成長の周期には戻らないということです。

「支出が減り、支出は他の人には収入源ですから所得が減少します。所得は債務返済より速いスピードで縮小します」

このパートでは、バブル崩壊の中で、金利を0にしても負の連鎖が回復できなくなってしまったその先の話をしています。負の連鎖が続くと収入の減少が止まらず、ついに返済額>収入 となる時が来ます。そうなると、次に資産の急激な減少が発生すると言っています。理由は単純です。返済額が収入を上回ってしまった時点で借り手は返済不可能です。このままだと破産となり、貸し手から見るとそれは資産(返済されるお金)の消滅となります。貸し手は、資産0になってしまうくらいなら返済可能なところまで借金をまけてあげようという考えになります。ただ、これは資産(返済されるお金)の縮小を意味します。

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さあ、どんどん悪い方に悪い方にことが進むようになってきました。でも、まだまだこんなところではありません。負のスパイラルはついに、国の運営にも影響し始めるようです。次回はもっと暗い話になりそうです。では。

「30分で分かる経済の仕組み」レイダリオ著 を読み解く②

引き続いて、読み解いていきたいと思います。

前回はクレジットによって急激に経済が成長する仕組みについて理解したところで終わりました。今回はひとしきり成長した後で次に何が起こるか、の所からスタートです。

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 「支出と収入が生産高より速いスピードで増えると価格が上昇し始めます。価格の上昇はインフレを招きます。」

価格の上昇がインフレになるのはわかる(インフレ⇒価格の上昇の方がしっくりくるのですが)。でも、、前半わかりますか?なぜ支出と収入が生産性よりも早く増えると価格が上昇するのかを。クレジットを使って支出と収入が増える際、何が行われているか。それは、銀行から世の中へのお金の投入です。空想実験ですが、この世の中に同一の商品しかなく、かつお金は金貨が使われているとしましょう。そうすると、商品の価格は世の中に投入されたお金の量と商品の数のバランスによってこうなります。

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銀行から投入されたお金の量と商品の数の増加(生産性の向上)分が同じであれば商品価格は変わりませんが、生産性の増加よりもお金の投入量の方が多い価格が増加してしまうんですね。

中央銀行はインフレを避けようとし、価格の上昇を感知すると利子を上げるようにします。」

ここのパートは、一つ一つ説明するよりも例を示した方が早いので↓の表を作ってみました。要はこういうことを言っています。 ”中央銀行” ”金利” といった言葉が出てきましたが、中央銀行がどういうところでどうやって金利をコントロールしているのか等、細かい仕組みは別の記事で書いてみたいと思っています。

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「周期の底と頂点は先の周期と比べて高くなり債務も増えています。」

ここのパートでは基本的に上記の表に有るような景気の上下の流れを波と言っています。言葉を変えて繰り返しているだけですね。ただ、上下の波が繰り返されていく中で全体としては徐々に上振れていくと書かれています。日本人の感覚としてはぴんと来ないのですが、たぶんアメリカでは手持ちの資金=レバレッジの元手という意識なのではないかと思います。レバレッジ=借金なのですが、借金て担保のお金の何倍の額も可能なんですね。なので、担保に対して大きな額を動かせるという意味でレバレッジとあえて書きました。レバレッジが効くので、みんながそれを最大限活用しようと思えば世の中に回るお金(借金による)がどんどん増えていきます。これは、今までの記事でさんざん書いてきたことです。

「債務が膨れ上がっていても所得と資産価値が増えていますからクレジットを得ることに危険はないのです」

下は、前回記事のグラフです。まさにこの状態ですね。負債が膨らんでいますが、それに対して収入も資産も上昇しています。だから、みんなイケイケになっていくんですね。これも、日本人の感覚だとちょっと分かりにくいかもしれないですが。日本人だと、収入も増えたしまず借金を返しておこうかと考えるんじゃないでしょうか。

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さて、今までは割と同じようなことを何回も念押しするような流れになってしまっていますが、次回は急展開有るみたいです。キーワードはバブル。 それでは。

「30分で分かる経済の仕組み」レイダリオ著 を読み解く①

前回ご紹介したレイダリオ著「30分で分かる経済の仕組み」について、じっくり読み解いていきたいと思います。(もともと動画だったものをLogmi financeさんが書き起こしています。本当に有難い。)

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というのも、 ”30分で分かる” と銘打っていますがはっきり言って無理です。特に後半、全く理解不能でした。文章が紳士的かつ諭すような感じで書かれているので勘違いしてしまうだけです。”30分でわかった気にさせてくれる”が正解です。(youtubeのコメント欄、”分かり易い!”のオンパレードだったけど、みんなホントか?)著者が世界的な投資家であることですし大切なことが沢山書いてあるはずです。悔しいじゃないですか、内容理解できないままでいるのも。ということで、頑張って読み解いていくことに決めました。一緒に今日から少しずつ進めて行きましょう。

「借り手がクレジットを得ると支出額をふやせます。支出が経済を押し上げるのです」

きました、最初の難関。ここで”経済”と書いてありますが、これを生産性と読み替えるとしっくりくるのではと思いました。そうすると、第2回の記事で書いた①タカシ君が借金する⇒ ②機材を買う⇒ ③荒地を畑にして無から価値を生み出す が一つの例として納得できると思います。是非読んでみてください。

「クレジットのある借り手には信用力と~これで経済の波が出来ます」

荒地を畑にしたタカシ君がえたものは、農作物を売ることでの収入upおよび畑という担保です。つまり(返済の)信用力を得ました。なので、さらに借金出来るますし貸し手も積極的に貸そうとします。タカシ君がこの信用力を使ってさらに借金して~としようとすると、生産性upの繰り返しによる経済上昇の流れが出来上がるということです。

「生産性は長期的に重要な要素ですが~返済の際には消費額を縮小することになります」

■タカシ君のように、生産性を上げる元手としての借金

■単純に、支出可能額をupするための借金(マイホーム欲しいなあ⇒ でもお金溜まる迄待ってたら10年後だな⇒ そうだ、ローン組もう(借金しよう))

の2種類がクレジットの用途にはあります。そして、後述の場合は返済までの間に生産性のup(=収入のup)を伴っていないため返済を始める場合は借金前よりも支出額を抑えるしかないのです。この2種類の概念はこの後出てくる経済の波動、波という話のベースになってくるので覚えておいて頂きたいと思います。

「現実には普通お金と考えているもののほとんどはクレジットなのです。米国のクレジット総額は約50兆ドルですが、流通しているお金の総額はわずかに約3兆ドルです。クレジットがない経済では支出は生産量を増やさないと増加しないのです。」

クレジット総額約50兆ドル⇒ クレジット負債約50兆ドルに読み替えるとしっくりくると思います。クレジットで調達したお金が50兆ドル、それに対してお給料の範囲などから使われる借金でないお金が3兆ドルということです。だいぶ差が有りますね。本当でしょうか?タカシ君の例で試してみました。数字は適当にこんな感じかなで入れてます。タカシ君が荒地から畑を作りだし、連鎖的に生産性が上がっていく例の話です。

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このままだと分かりにくいので、要素ごとに表にまとめます。こうです。

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さらにこれをグラフに。

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確かに、収入の増加と比べてもクレジットの額が圧倒的に多いです。また、クレジットを使っての資産増加がすごいですね。クレジットによる生産性向上が視覚的に分かります。ちなみに、この例は前述の2パターンのうちの生産性向上を伴う場合です。単に消費のためだけのクレジット利用の場合は資産の増加がクレジット額を上回ることも収入の増加もないはずです。

なんだか、これだけ見ているとクレジットって素晴らしい仕組みですね。経済規模がどんどん膨らんでいきます。しかし、現実の世界というのはこんな単純ではありません。この先の先があるのです。次の回ではこの後、つまりクレジットを用いて生産性が上がっていった後の話になって行きます。それでは。

なぜお金を発行してインフレ率2%を目指すのか?(後編)

まず最初に、後編を書くにあたってもっとも参考にさせて頂いた記事を紹介します。

レイダリオ氏30分でわかる経済の仕組み(世界一の資産家) - ログミーファイナンス

難しい言葉を使うことなく経済の基本的な仕組みを解説して、大変為になりました。後半理解できなかったのですが、前半は分かり易かったです。著者はレイダリオという方で、世界的に有名な投資家らしいです。ジャズ奏者の家に産まれて一代で巨大ファンドを立ち上げました。凄い人ですね。自家用海洋調査船潜水艇なども持っていて、自らこれに乗って海洋調査もするとか。良い人生だなあ。あと、趣味が超絶瞑想。気になる。

 

で、この参考記事を読んで分かったのは前出のクレジットが経済の拡大速度を上げるということです。タカシ君は、荒地を開墾する道具を買うために借金をしました。クレジットの発生です。このことにより、畑という価値が出来上がりました。生産性の向上です。貯金がたまるまでの時間を待たずに。すばらしい。そして、まだここで終わりではありません。タカシ君が借金をして道具を買いました。つまり、道具屋が収入を得ました。そして収入を得た道具屋のおじさんは考えたとします、開墾ブームくるぞと。こんな小売店じゃなくて大型店舗に改装しようと。凄くお金がかかるから無理だろうと思うかもしれませんが、でも大丈夫です。なぜなら貯金に加えてタカシ君から得たお金があるのでその分多額の借金が出来るのです。そして、おじさんが借金をして大型店舗に作り替えるということは、建築屋さんにお金が入ることに・・・・。この連鎖です。クレジットというものがあるおかげで タカシ君の開墾に始まってどんどん生産性が向上していきます。そして、それに伴って通貨も発行されるのですが(以前の記事参照)、綺麗に生産性の向上分きっちり通貨が発行されるわけではなく、過剰に通貨供給されるようです。これには色々な理由が有ると思いますが、大まかには経済成長への意欲が盛んでお金に対する需要が高いため、銀行がどんどんお金を貸す(世の中にお金を供給する)⇒さらに生産性上がる。⇒ 繰り返し。 そして、このとき世の中に投入されていくお金の増加速度が生産性向上の速度よりも速いのでインフレを発生させます。

 ↓よりリアルだから

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世の中は基本的にはインフレになって行く傾向

そう、タイトルに”なぜお金を発行してインフレにするのか” とありますが、これは勘違いだったのです。逆です。世の中はクレジットが生み出す生産性増加の連鎖の中で、自然にインフレ傾向になってしまうのです。そして、このインフレが極端に進まないよう、監視してコントロールする機関が存在しています。この機関が色々データを分析した結論が”2%くらいのインフレになるくらいのペースで生産性向上していくのが世の中の為にいいね”ということらしいです。だから、2%。

まとめ

・クレジットを使って生産性を上げるという連鎖が始まるとインフレになる。

・インフレになりすぎないように世の中を監視してコントロールする機関がある。

・その機関の算出した最適なインフレ率は2%。