R平のブログ

世の中の仕組みを調べてみよう

「30分で分かる経済の仕組み」レイダリオ著 を読み解く②

引き続いて、読み解いていきたいと思います。

前回はクレジットによって急激に経済が成長する仕組みについて理解したところで終わりました。今回はひとしきり成長した後で次に何が起こるか、の所からスタートです。

finance.logmi.jp

 「支出と収入が生産高より速いスピードで増えると価格が上昇し始めます。価格の上昇はインフレを招きます。」

価格の上昇がインフレになるのはわかる(インフレ⇒価格の上昇の方がしっくりくるのですが)。でも、、前半わかりますか?なぜ支出と収入が生産性よりも早く増えると価格が上昇するのかを。クレジットを使って支出と収入が増える際、何が行われているか。それは、銀行から世の中へのお金の投入です。空想実験ですが、この世の中に同一の商品しかなく、かつお金は金貨が使われているとしましょう。そうすると、商品の価格は世の中に投入されたお金の量と商品の数のバランスによってこうなります。

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銀行から投入されたお金の量と商品の数の増加(生産性の向上)分が同じであれば商品価格は変わりませんが、生産性の増加よりもお金の投入量の方が多い価格が増加してしまうんですね。

中央銀行はインフレを避けようとし、価格の上昇を感知すると利子を上げるようにします。」

ここのパートは、一つ一つ説明するよりも例を示した方が早いので↓の表を作ってみました。要はこういうことを言っています。 ”中央銀行” ”金利” といった言葉が出てきましたが、中央銀行がどういうところでどうやって金利をコントロールしているのか等、細かい仕組みは別の記事で書いてみたいと思っています。

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「周期の底と頂点は先の周期と比べて高くなり債務も増えています。」

ここのパートでは基本的に上記の表に有るような景気の上下の流れを波と言っています。言葉を変えて繰り返しているだけですね。ただ、上下の波が繰り返されていく中で全体としては徐々に上振れていくと書かれています。日本人の感覚としてはぴんと来ないのですが、たぶんアメリカでは手持ちの資金=レバレッジの元手という意識なのではないかと思います。レバレッジ=借金なのですが、借金て担保のお金の何倍の額も可能なんですね。なので、担保に対して大きな額を動かせるという意味でレバレッジとあえて書きました。レバレッジが効くので、みんながそれを最大限活用しようと思えば世の中に回るお金(借金による)がどんどん増えていきます。これは、今までの記事でさんざん書いてきたことです。

「債務が膨れ上がっていても所得と資産価値が増えていますからクレジットを得ることに危険はないのです」

下は、前回記事のグラフです。まさにこの状態ですね。負債が膨らんでいますが、それに対して収入も資産も上昇しています。だから、みんなイケイケになっていくんですね。これも、日本人の感覚だとちょっと分かりにくいかもしれないですが。日本人だと、収入も増えたしまず借金を返しておこうかと考えるんじゃないでしょうか。

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さて、今までは割と同じようなことを何回も念押しするような流れになってしまっていますが、次回は急展開有るみたいです。キーワードはバブル。 それでは。