R平のブログ

世の中の仕組みを調べてみよう

「30分で分かる経済の仕組み」レイダリオ著 を読み解く①

前回ご紹介したレイダリオ著「30分で分かる経済の仕組み」について、じっくり読み解いていきたいと思います。(もともと動画だったものをLogmi financeさんが書き起こしています。本当に有難い。)

finance.logmi.jp

というのも、 ”30分で分かる” と銘打っていますがはっきり言って無理です。特に後半、全く理解不能でした。文章が紳士的かつ諭すような感じで書かれているので勘違いしてしまうだけです。”30分でわかった気にさせてくれる”が正解です。(youtubeのコメント欄、”分かり易い!”のオンパレードだったけど、みんなホントか?)著者が世界的な投資家であることですし大切なことが沢山書いてあるはずです。悔しいじゃないですか、内容理解できないままでいるのも。ということで、頑張って読み解いていくことに決めました。一緒に今日から少しずつ進めて行きましょう。

「借り手がクレジットを得ると支出額をふやせます。支出が経済を押し上げるのです」

きました、最初の難関。ここで”経済”と書いてありますが、これを生産性と読み替えるとしっくりくるのではと思いました。そうすると、第2回の記事で書いた①タカシ君が借金する⇒ ②機材を買う⇒ ③荒地を畑にして無から価値を生み出す が一つの例として納得できると思います。是非読んでみてください。

「クレジットのある借り手には信用力と~これで経済の波が出来ます」

荒地を畑にしたタカシ君がえたものは、農作物を売ることでの収入upおよび畑という担保です。つまり(返済の)信用力を得ました。なので、さらに借金出来るますし貸し手も積極的に貸そうとします。タカシ君がこの信用力を使ってさらに借金して~としようとすると、生産性upの繰り返しによる経済上昇の流れが出来上がるということです。

「生産性は長期的に重要な要素ですが~返済の際には消費額を縮小することになります」

■タカシ君のように、生産性を上げる元手としての借金

■単純に、支出可能額をupするための借金(マイホーム欲しいなあ⇒ でもお金溜まる迄待ってたら10年後だな⇒ そうだ、ローン組もう(借金しよう))

の2種類がクレジットの用途にはあります。そして、後述の場合は返済までの間に生産性のup(=収入のup)を伴っていないため返済を始める場合は借金前よりも支出額を抑えるしかないのです。この2種類の概念はこの後出てくる経済の波動、波という話のベースになってくるので覚えておいて頂きたいと思います。

「現実には普通お金と考えているもののほとんどはクレジットなのです。米国のクレジット総額は約50兆ドルですが、流通しているお金の総額はわずかに約3兆ドルです。クレジットがない経済では支出は生産量を増やさないと増加しないのです。」

クレジット総額約50兆ドル⇒ クレジット負債約50兆ドルに読み替えるとしっくりくると思います。クレジットで調達したお金が50兆ドル、それに対してお給料の範囲などから使われる借金でないお金が3兆ドルということです。だいぶ差が有りますね。本当でしょうか?タカシ君の例で試してみました。数字は適当にこんな感じかなで入れてます。タカシ君が荒地から畑を作りだし、連鎖的に生産性が上がっていく例の話です。

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このままだと分かりにくいので、要素ごとに表にまとめます。こうです。

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さらにこれをグラフに。

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確かに、収入の増加と比べてもクレジットの額が圧倒的に多いです。また、クレジットを使っての資産増加がすごいですね。クレジットによる生産性向上が視覚的に分かります。ちなみに、この例は前述の2パターンのうちの生産性向上を伴う場合です。単に消費のためだけのクレジット利用の場合は資産の増加がクレジット額を上回ることも収入の増加もないはずです。

なんだか、これだけ見ているとクレジットって素晴らしい仕組みですね。経済規模がどんどん膨らんでいきます。しかし、現実の世界というのはこんな単純ではありません。この先の先があるのです。次の回ではこの後、つまりクレジットを用いて生産性が上がっていった後の話になって行きます。それでは。