R平のブログ

世の中の仕組みを調べてみよう

なぜお金を発行してインフレ率2%を目指すのか?(前編)

なぜお金を発行して少しずつインフレにしようとするかの理由について調べてみました。なんとなくわかったので、自分なりの考察をしていきたいと思います。

なぜ(どんな時に)お金を発行するのか?

そもそもの話ですね。お金を発行するもっとも単純な理由としては、”生産性の向上にたいおうする”ということなのだと思います。かっこつけた言い方をしてしまいましたが、やりとりするものが増えていったら、その分お金の枚数も増やしていく必要があるということです。例えるとこんな感じです。タカシ君という無職収入0の立派なニート君がなんだかんだあってお百姓さんになり荒地の開墾をしたとしましょう。立派な畑になり、たくさんの農作物を生み出すようになりました、と。このとき、

f:id:r-hei:20190825215706p:plain

荒地というなにも産み出さない土地が畑という食べ物(商品)を生み出す土地に変わった(不動産としての価値は無視します)。つまり、無から価値が作り出されたのです。これを生産性の向上というそうです。どっちかというと生産量の向上、の方がしっくりくる(世の中の畑が増えたので)のですが、タカシ君と荒地という使われていなかったものをうまく活用した結果ねん出された価値、つまりタカシ君と荒地の使い方を改善(効率化)した結果と考えると”生産性”という言葉も納得できます。ところが、ここで疑問が生じました。世の中にある畑の数が一個増えたわけです。でも、世の中に存在しているお札の枚数は変わっていません。ということは、このままだとお金の価値が変わってしまうのではないのでしょうか?空想ですが、タカシ君の世界で発行されている通貨の量が金貨100万枚で、この世界ではすべての価値あるものがこの金貨で裏付けられていたとします。すると、畑一個増えた場合にはそれにあてがう金貨が足りなくなってしまうのです。そして、この場合その解決方法には2通り有ると思います。①金貨のもつ価値を少し上げる ②畑一個分の金貨を新たに発行する で、この場合①はゆがみを生じます。どういうことかというと、お金の持つ価値が上がってしまうので、今までたんまり貯金していた人が大喜び。その逆に借金していた人は負担増。お給料は、たぶん額面は下がる(価値は変わらず)のでしょうね。なので、この場合 解決法としては②を取るのがセオリーでしょう。そうです、生産性が上がった場合それに合わせてお金を追加で発行しないとお金の価値を一定に出来ないのです。ただ、これでおしまい・・・ にはならないです。一旦タカシ君の世界から戻ります。

Newワード、その名はクレジット

長々書いてしまいましたが、お金を発行する必要性については分かった。しかし、インフレ率2%を目指すということは、生産性の向上分以上の通貨を発行してお金の価値を薄めていくということです。これに対する疑問は全く解決していません。実は、この疑問を解いていくにはいままで出てこなかったキーワード ”クレジット” というものが大きく関わっているようなのです。クレジットというのは良く聞く言葉ですが売掛金のことです。もっと正確に言うと、お金の貸し借りによって生じるものです。貸し手から見ると売掛金。借り手から見ると借金。この概念はとても重要で、どの位重要かというとクレジットを考慮しないと本当は上記タカシ君の話も成り立たないのです。良く考えてみてください。タカシ君はニートでした。健康体以外何も持っていません。開墾って、素手でできますかね?最低でも鍬と種が必要です。でも、タカシ君にはお金なんてありません。どうするか?借りればいいんです。そう、タカシ君の話には借金をして設備を揃えたという話が省略されていたのです。もしクレジットという概念がなければタカシ君はチャレンジする気力があっても行動できなかったことでしょう。大事ですね、クレジット。

   ↓これがリアルだから。

f:id:r-hei:20190825235729p:plain

さて、今までで説明の下地は整いました。長かったですね、でも本番はこれからなんですよ。後編にて!

まとめ

 ■生産性の向上とは、新しく価値をうみだすこと。

 ■生産性の向上をした場合、その分の通貨を発行する必要がある。

 ■でも、実際には生産性向上分以上の通貨が意図的に発行され続けている。

 ■生産性向上を行う際、クレジットが生じる。